“風疹ゼロ”プロジェクト キックオフ!2020年 東京オリンピック・パラリンピックに向けて (2017)

本年より本会は、風疹の流行に伴う先天性風疹症候群の発症を防ぐため、日本産科婦人科学会,日本周産期新生児医学会,国立感染症研究所と協力し, “2月4日”を“風疹の日”―“風疹ゼロ”プロジェクト”デー―、2月を“風疹ゼロ”月間として、“風疹ゼロ”プロジェクトを立ち上げます.本プロジェクトは国が風疹排除を目標として掲げた2020年,すなわちオリンピック・パラリンピックが開かれる年まで毎年2月を、計画的な啓発強化キャンペーン月間としてワクチン接種推進活動を加速させてまいります。2017年より多くの官公署,関係機関,学会等に、下記の情報発信、啓発活動にご協力をお願いしております。

 

本会のホームページ(http://ad1120bfn7.smartrelease.jp/all/103_161109.pdf)で内容の詳細をご確認いただけますが,一人でも多くの会員に現在の本邦での風疹流行のリスク背景をご理解いただき,先天性風疹症候群児の出生をゼロにし、風疹の完全抑制へと進めていけますようお力添えをお願いします.

2月4日は“風疹の日”―『“風疹ゼロ”プロジェクト』―を進めましょう

1.風疹にご注意! わが国では風疹流行のリスクはいまだに消えていません!

2.妊娠20週頃まで(主に妊娠初期)に風疹ウイルスに感染すると胎児が先天性 風疹症候群になるおそれが生じます。(*1

3.30~50代の男性は風疹に対する免疫のない方が多く、風疹流行の要因となっています。

4.海外流行地への渡航は風疹ウイルスに感染するリスクを上げます。渡航の際は万全の風疹予防対策,また帰国後は風疹発症リスクに対する適切な対応策を とってください。(*2

―2017年2月“風疹ゼロ”プロジェクト―


現在,本邦では昨夏の麻疹の流行に伴いMR(麻疹風疹)ワクチンが一部不足し,流通が滞っている地域があります。
ワクチン増産にはかなりの時間がかかり、流行してからワクチン接種を推進するのではなく、計画的なワクチンの増産と検査キットの確保が必要です。
小児の定期接種が最優先となっているため,接種が十分行き渡らない状況も想定されております.妊婦を風疹罹患のリスクから守るために、ワクチン未接種者や30歳代半ばから50歳までの男性を対象に、ワクチン接種することは喫緊の重要事項ではありますが,風疹に罹患しやすい状況から身を守り,あるいは感染源となりうる背景をよく理解して危機予知,予防に努めることも本年は重要なことになりますのでよろしくご理解の上,ご協力ください.

風疹予防啓発ポスターのダウンロードはこちら

 
(*1)

先天性風疹症候群:妊娠20週頃まで(主に妊娠初期)に妊婦が風疹ウイルスに感染すると、難聴、心疾患、白内障などの障害をもった赤ちゃんが生まれるおそれがあり、その後、発育の遅れがみられることがあります。(詳しくはかかりつけの医師とよく相談されることを勧めます。)

 
(*2)

①アジア、東欧、アフリカ等の風疹が流行している地域へ渡航の際はぜひ風疹ワクチン(通常、【麻疹風疹=MR】ワクチン)を接種してからでかけてください。

・海外の風疹に関する情報は国立感染症研究所のHPでご覧になれます。

「海外での風疹対策の現状」

・海外出張中に現地で風疹ウイルスに感染し、帰国後発症し,軽い“かぜ”と考え出勤して流行させる事例が多くあります。


②海外出張の多い企業、組織では職場としての感染症対策を十分にとられることを強く推奨しかつ要望します。

⇒ 国立感染症研究所 「職場における風しん対策ガイドライン」