人工妊娠中絶ができる条件とは何ですか?

人工妊娠中絶ができる条件とは何ですか?

母体保護法という法律で定められた適応条件-があります。

平成25年12月13日に改正された母体保護法の第一章、第二条に、「人工妊娠中絶とは、胎児が、母体外において、生命を保続することのできない時期に、人工的に、胎児及びその附属物を母体外に排出すること。」と定義されています。
そして人工妊娠中絶は、母体保護法という法律に順守して施行されなければいけません。法律的には、母体保護法により定められた適応条件(表)のある場合にのみ行い得ることで、この適応条件を守らなかった場合は母体保護法違反となります。したがって、患者の求めに応じて行なわれるものでありません。
一般に人工妊娠中絶手術は、危険度からいって妊娠11週までに行うことが望ましいとされています。そのため、望まない妊娠、継続できない妊娠については、早期の診断から妊娠に関わる人すべてへの指導・カウンセリング、そして対処がとても重要となります。
学校においては、予定の月経が来ないなどの妊娠を疑うべき徴候を、生徒が自ら疑えるように、自分の身体の変化に気づくようにする教育と、そのことを親や教師に相談できる環境作りが最も大切です。

―母体保護法に定められた適応条件―
母体保護法 第三章 母性保護
第十四条 都道府県の区域を単位として設立された公益社団法人たる医師会の指
定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号の一に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。
一 妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著し
く害するおそれのあるもの
二 暴行若しくは脅迫によってまたは抵抗若しくは拒絶することができない間
に姦淫されて妊娠したもの
2 前項の同意は,配偶者が知れないとき若しくはその意志を表示することがで
きないとき又は妊娠後に配偶者がなくなったときには本人の意思だけで足りる。

「学校医と養護教諭のための思春期婦人科相談マニュアル」より引用。

「学校医と養護教諭のための思春期婦人科相談マニュアル」申込用紙