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日産婦医会報平成15年5月号「医療と医業」の項では開設者急逝に伴う届出や手続きについて、医業に直接関係のある項目を中心に述べた。しかしながら誌面の都合上、一部掲載できなかった部分があったため、ホームページで、改めて全文を掲載する。


開設者急逝後に必要な届出・手続き

医療対策委員会副委員長 小関 聡

 

 開設者が不幸にして死亡した場合、遺族が届け出なければならない書類は予想外に多い。昭和62年、当時の日母医報に同じテーマを掲載したが、その後15年以上経過し関係法令や制度も変更されているため、今回改めて取り上げた。

 手続きは、法定相続人が行うが、その中に相続する医師がいればその医師が行うのが一般的である。文中○は役所等で渡される書類、※は相続人が用意する書類である。


  1. 保健所
  2. 社会保険事務所
  3. 医師健康保健組合また医師国保
  4. 医師会
  5. 税務署
  6. 都道府県労働局
  7. 福祉事務所
  8. 郵便局
  9. 銀行
  10. 生命保険会社
  11. 社会保険事務所
  12. 所属学会など
  13. その他


【保健所】
○

医師免許証抹消申請書

 

※

医師免許証

30日以上経過している場合は遅延理由書も提出

○

開設者死亡届出書

10日以内

○

X線装置廃止届出書

10日以内

○

麻薬施用者業務廃止届

15日以内

※

麻薬免許証

麻薬管理者死亡の場合、麻薬施用者が2名以上いる施設では直ちに後任者を決め麻薬管理者免許を取得する

○

麻薬所有届

15日以内
所有届に記載された麻薬を破棄する場合、印鑑と現品を直接県薬務課に持参し麻薬廃棄許可申請をする。譲渡の場合は別途問い合わせのこと

○

結核予防法指定医療機関辞退届

速やかに

※

結核予防法指定医療機関指定書

 

相続の場合
○

開設届

 

○

X線装置設置届

 

○

麻薬施用(管理)者免許申請

 

○

結核予防法指定医療機関届

 

※

相続医師の医師免許証

 

※

相続医師の履歴書

今回の就職を含む

※

施設の見取り図

構造、設備等に変更ない場合は省略可

※

施設の平面図

構造、設備等に変更ない場合は省略可

その他

  

各自治体独自の健診事業等で保健所以外の部署が管轄する場合は当該部署への届けが必要である。

【社会保険事務局】

 従来は県保険課で行っていたが、組織の移行により国直属の社会保険事務局に変更となった。

○

保険医関係事項変更等届出書

同届出書中に死亡の項目がある

※

保険医登録票

 

※

除籍抄本または死亡診断書

 

○

保険医療機関関係事項変更等届出書

同届出書中に廃止の項目がある

※

保険医療機関指定通知書

 

相続の場合
○

保険医療機関指定申請書

 

※

保健所長の証明した開設届受理証明

 

※

医療機関案内図

 

※

医療機関平面図

 

※

相続する医師の
保険医登録票原本と写

 

※

医師免許証原本と写及び履歴書

 

   

 一旦廃止後に再度保険医療機関の指定申請の手続きをしなればならないが、親族による交代または開設者死亡の時点で6カ月以上継続勤務している常勤医が即引き継いで診療を続けるのであれば、死亡の翌日に遡って新しい開設者での保険医療機関の指定を受けることができる(○保険医療機関遡及指定願、※親族の場合は戸籍抄本など身分関係を証明できるもの)。その他の場合は新たに指定を受けるまで保険診療はできない。友人の医師による転医のための紹介状発行等は可能であるが、保険診療と認められない。

【医師健康保険組合または医師国保】

○

資格喪失届

 

※

死亡者の健康保険証

 

○

葬祭費支給申請書

 

※

死亡診断書添付

 

【医師会】

○

地区・都道府県・日本医師会脱退届

 

○

地区・都道府県・日本医師会
弔慰金申請書

 

○

母体保護法指定医辞退届

 

【税務署】

○

所得税申告書

所轄税務署で4カ月以内に相続人代表が行う

○

相続税申告書

所轄税務署 10カ月以内に

○

事業税申告書

都道府県税事務所

【都道府県労働局】

 労災指定医の場合。以前は都道府県医師会で取り扱っていた。

○

事業主変更連絡書

 

相続の場合

 

上記書類で変更内容を「交代」とする

【福祉事務所】

 生活保護取り扱いの場合。自治体によっては保健所と統合された地域もある。

○

生活保護法指定医療機関辞退届書

 

相続の場合
○

同指定申請書

 

 都道府県により手続方法が一部異なる場合がある。返納する免許証や登録票等が見当たらない場合は、紛失届(始末書)もあわせて提出することになるのでご注意願いたい。

【郵便局】〔貯金〕

○

相続貯金名義書換請求書

代表相続人、代表相続人以外の相続人を記入し実印を押印し提出する。その際、代表相続人に名義を書き換えるか、解約して支払いを受けるかを選択して記入する

○

相続確認表

 

※

貯金通帳・貯金証書

 

※

被相続人の除籍謄本

以前は出生から死亡までを証明するすべての戸籍謄本が必要であったが、平成15年4月より死亡を証明できる除籍謄本のみでよくなった

※

印鑑証明書

 

※

遺言書

ある場合、原本を持参しコピーをとる

郵便貯金ホームページを参照。「ゆうちょ手続」⇒「名義変更」

【銀行】〔預金〕

○

相続依頼書

郵便局の相続貯金名義書換請求書に相当するもの。記入要領も同じ。

※

預金通帳・キャッシュカード

 

※

戸籍謄本

出生から除籍まで

※

相続人全員の実印および印鑑証明

 

※

遺言書

ある場合、原本を持参しコピーをとる

  

 預貯金については特に法律で義務づけたものはなく、各金融機関が自主的に取り決めを作っている。従って金融機関によって多少の違いがある。
 相続にはさまざまな形態がある。遺言書の有無、未成年の相続人がいる場合、相続放棄をした相続人がいる場合、相続欠格人がいる場合、遺留分請求があった場合、特別受益を受け相続分のない相続人がいる場合などの状況により提出書類や手順が異なる。従って、金融機関に相談しながら時間をかけて進めることになる。一連の手続きが終了するまでは、故人の預貯金は閉鎖され、勝手に引き出せなくなる。

【生命保険会社】

○

死亡保険金請求書

  

※

死亡診断書

 

※

受取人印鑑証明

 

 

各社ホームページ参照

【社会保険事務所】

○

年金受給権者死亡届

死亡の事実を明らかにできる書類(除籍謄本、死亡診断書など)

 

詳細は社会保険庁ホームページ参照

【所属学会など】

  

日本産婦人科医会への届けは、本部ではなく、支部に電話か文書で連絡する。

  

「母体保護法」に関する手続きは、都道府県医師会にする。

【その他】

  

電気、水道、ガス、電話などの名義変更

(日本産婦人科医会医療対策委員会 平成15年5月作成)