39. 超音波ドプラ

 超音波機器についているドプラ機能について解説します
ドップラー効果はご存知かとおもいます。動いている物から発せられる波(音など)は、波の速度に動いている物の速度が増減されて変化がおきます。定点でその波を観測する場合、近づいてくる場合は周波数が高くなり、遠のく場合は周波数が低くなります。救急車が近づいてきて遠のくときに、高い音から低い音に聞こえ方が変わるのはそのためです。
その性質をもちいたのが超音波ドプラです。メディカ出版 ペリネイタルケアより

 超音波の画像(B-モード)の画像の作り方を解説します。超音波のプローブからは決まった周波数の超音波が発せられています。そして、組織内を伝播された超音波が、密度の違う組織などで反射され、超音波がもどってきます。同じプローブでその戻ってきた情報をキャッチし、往復の時間から深さを推定して、それを画像化したりしています。
 カラードプラやパルスドプラなどのドプラは、血流など動くもの(赤血球など)に当てて、送った周波数と戻ってきた周波数の違いをしらべます。その周波数のずれ(偏移)から、血流など動いているものの速度を測るという方法をとっています。メディカ出版 ペリネイタルケアより

 その速度情報を音で示したのがCTGなどでも使われるいわゆる胎児心拍数計などです。そして、速度をプローブ側に戻ってくるものを赤、離れるのを青などとして表現したのがカラードプラです。メディカ出版 ペリネイタルケアより

 実際の血管内では速度の速い部分と遅い部分がありますので、速度成分も早い部分から遅い部分まで幅がありますので、それをカラーマッピングでグラデーションのように表現することもできます。さらに、反射波の超音波周波数の偏移から求めた血流速度を時間変化で表したものがパルスドプラです。脈拍の周期に合わせて血流が変化するのをグラフで示すことができます。

 このように超音波ドプラでは、周波数の偏移からもとめた血流流速などの動きを、聴覚的や視覚的に表現しているというわけです。