(2)GSM の診断
- GSM にあてはまる何らかの愁訴がある場合,ほかの自覚症状についても系統的に問診し,全体像を把握する(表2)1).
- 腟健康指数(VHI:vaginal health index)2)に沿って腟の状態を評価し(表3),腟の慢性炎症や萎縮性変化によって症状の説明がつくかどうかを検討する.
- 炎症が恒常化している人では,しばしば外陰・腟の衛生管理が不良である.診察時に,汚れや異物についてもチェックする.
- 膀胱炎,外陰ヘルペス,カンジダ腟炎,萎縮性苔癬,外陰癌など特定の原因による外陰・腟の刺激症状を除外する.採尿時に帯下の混入が予想される場合,尿所見は導尿によって確認する.外陰癌の疑いがある場合,皮膚生検を行う.
- 閉経後に骨盤臓器脱(POP:pelvic organ prolapse)があると,粘膜面の乾燥や腟が外翻される際にかかる力によって GSM は増悪する.閉経後の POP には GSM が併存し,GSM は病態や病像において POP の一側面である.