1 )B 型肝炎ワクチン
- 標準的な接種時期は,生後2,3,7~8か月である.
- 母親が B 型肝炎キャリアの場合は,母子感染予防として生直後,生後1,6か月に接種する.生下時には HB 免疫グロブリンを同時に投与する.
2 )ロタウイルスワクチン
- 小児のロタウイルスによる急性胃腸炎を予防する経口接種ワクチンである.
- 1価と5価のワクチンの2種類がある.1価ワクチンは2回,5価ワクチンは3回と接種回数が異なる.
- ロタウイルスワクチンの副反応として,接種後,特に1回目の1週間以内に腸重積症を発症することがある.腸重積症の好発年齢(生後6か月~2歳)と重ならないように早期に接種する必要がある.
- 標準的な接種時期は,1価ワクチンは生後2,3か月,5価ワクチンは生後2,3,4か月である.1価ワクチンは生後6か月,5価ワクチンは生後8か月までに接種を完了する.
3 )肺炎球菌結合型ワクチン
- 肺炎球菌は小児の肺炎,髄膜炎などの重症感染症の起因菌であり,90 以上の血清型が存在する.
- 小児に重症化する可能性のある血清型 13 種を含む 13 価ワクチンが接種されてきた.2024 年4月からは 15 価ワクチンが接種されている.
- 標準的な接種時期は,生後2,3,4か月と1歳である.
4 )5種混合ワクチン
- ジフテリア,百日咳,破傷風,ポリオ,インフルエンザ菌 B 型(ヒブ)に対するワクチンである.2024 年4月より,定期接種ワクチンとして接種されている.
- 標準的な接種時期は,生後2,3,4か月と1歳である.
5 )BCG
- 乳幼児の重症結核感染症を予防するワクチンである.
- 左上腕にスタンプ型の器具を用い,皮内接種する.
- 標準的な接種時期は,生後5~8か月である.結核罹患のリスクの高い児には,生下時より接種することができる.
6 )麻疹・風疹混合ワクチン
- 定期接種の生ワクチンである.
- 標準的な接種時期は,1歳と小学校に入る前の1年間(5~6歳)の計2回である.
7 )水痘ワクチン
- 定期接種の生ワクチンである.
- 標準的な接種時期は,12~15 か月とその後,半年あけて2回目を接種する.
8 )おたふくかぜワクチン
- 任意接種の生ワクチンである.
- 標準的な接種時期は,1歳と小学校に入る前の1年間(5~6歳)の計2回である.
9 )日本脳炎ワクチン
- 蚊が媒介する日本脳炎を予防する定期接種の不活化ワクチンである.
- 標準的な接種時期は,3歳で1~4週間あけて2回接種し,その後4歳,9歳に計4回接種する.
- 生後6か月から接種可能であり,感染のリスクのある地域では早期の接種が必要である.その場合,接種量が異なる(3歳未満:0.25mL,3歳以上:0.5mL).
10)インフルエンザワクチン
- 任意接種の不活化ワクチンである.
- 標準的な接種時期は,インフルエンザの流行前である 10 月末から 11 月であり,毎年接種する.生後6か月から接種が可能である.接種回数は,13 歳未満は2回,13歳以上は1回である.
11)新型コロナウイルスワクチン
- 任意接種の mRNA ワクチンである.
- 変異ウイルスのオミクロン株対応のワクチンが使用されており,秋に1回接種する.
- 生後6か月より接種可能である.4歳までは初回接種として3回接種する.