(4)一次医療施設における診療のポイント

1 )全人的視点での評価

  • 身体的症状,心理的要因,社会的背景を包括的に評価することが重要である.
  • 症状を訴えにくい患者もいるため,生活の質に関する質問を取り入れる.

2 )適切なスクリーニングと予防

  • 骨粗鬆症:骨密度測定,カルシウムとビタミン D の補充,運動指導を組み合わせて行う.
  • 心血管疾患:血圧,血糖,脂質プロファイルの定期的な評価を行う.
  • がん検診:乳がん(マンモグラフィー),子宮頸がん(細胞診)を定期的に実施する.

3 )ホルモン補充療法(HRT)の適切な活用

 重度の更年期症状や骨粗鬆症予防に対して HRT が有効であるが,乳がんや血栓症リスクを慎重に評価する.

4 )生活習慣改善の支援

 適度な運動(有酸素運動や筋力トレーニング)や食事指導(高カルシウム,高ビタミン D,低脂肪食)を推奨する.

5 )心理的支援とカウンセリング

 必要に応じて心理療法や抗うつ薬の処方を行う.ストレスマネジメントを含めた支援が重要である.

6 )家族や社会的支援の重要性

 家族の理解と支援を促進し,地域のリソースを活用した社会的孤立の予防に努める.