2.母乳育児支援

1.災害時でも母乳が推奨される

・ライフラインが確保できない,また清潔な水が入手できない状況では,人工乳を用いることができない.

・母乳は,栄養学的に完全であり,感染予防効果がある.

・直接母乳であれば,体温保持にも役立つ.

 

2.授乳が継続できる環境と支援が必要

・災害時にはストレスや栄養不良によって,母乳分泌が減少してしまうと考える母親や医療者は多いが,実際は,母乳分泌は維持されている.

・一時的に母乳栄養が中断されても,relactation(母乳分泌の再開)は可能である.

・ストレス下では,射乳反射が低下するため,母乳分泌が少ないと判断されやすい.

・米国小児科学会の災害時,危急時の乳児の栄養の指針を図35,表13に示す.