編集後記
編集後記
今回の研修ノートのテーマは「プレコンセプションケア」です.
女性は,月経という周期的な事象に対応する日々を過ごしているところに,突然に妊娠・出 産という身体的な変動を迎えます.多くの女性は自分が妊娠した時のリスクまでは想定できてお らず,自分の正確な状態や体質 / 異常などに気がついていないことも多いものです.もちろん, 妊娠・出産という変動にあらかじめ準備している方々も従来からおられて,プレコンセプション ケアという特別な新しい治療法が開発されたわけではありません.ただ様々な状況を想定し,あ らかじめ準備しておかないと母も子も健康な状態になりませんよということを意識してもらうも のです.これは少子化対策にもなりますが,女性自身と児が健康であるために準備してもらうこ とが一番の目的です.妊娠中は血液循環量,血液凝固能,ホルモン状態,心臓や腎臓への負荷な どが大きく変動する特別な時期であり,出産後にもストレスなどの問題があって,様々な準備や 検査をして賢く生きていきましょうというものです.また,若い女性に産婦人科を受診してもら い,かかりつけ医を作ってもらうことにもつながると思います.
本書は,プレコンセプションケア外来を設立してこれからの妊娠を考えている女性を集める 場合のバイブルになるでしょうし,日々の一般外来でこれから妊娠をするかもしれない女性に対 してちょっとしたアドバイスをすることにも役立つものと考え,日本の周産期医療のさらなる発 展の礎になることを願ってやみません.最後になりましたが,本書に貴重な時間を割いてご執筆 いただきました先生方,編集,校正などにご尽力いただきました研修委員会の委員の先生方に深 く感謝申し上げます.
(幹事 五十嵐敏雄 記)