1.はじめに(プレコンセプションケアとは)

ポイント

  • プレコンセプションケアは,WHO が 2013 年に「妊娠前の女性とカップルに 医学的・行動学的・社会的な医療介入を行うこと」と定義した.
  • 日本では,「成育医療等基本方針」 において,「女性やカップルを対象として将 来の妊娠のための健康管理を促す取組」と定義されている.

   プレコンセプションケアについて WHO は 2013 年に「妊娠前の女性とカップルに 医学的・行動学的・社会的な医療介入を行うこと」と定義した.WHO は,栄養状態, 喫煙,遺伝的条件,環境衛生,不妊症,暴力,性感染症,HIV,メンタルヘルス,精 神作用物質の使用,ワクチンで予防可能な疾患,若年妊娠,予期せぬ妊娠,妊娠の早 い繰り返しを医療介入が必要な事項と定めた.
   日本では,成育基本法に基づいて 2021 年2月9日に閣議決定された 「成育医療等 基本方針」 において,「女性やカップルを対象として将来の妊娠のための健康管理を 促す取組」と定義された.
   日本では生殖教育が十分とはいえず,月経や妊娠などについてオープンに語る機会 が限られている社会的背景がある.これに関連して,子宮内膜症,子宮筋腫,子宮腺 筋症に対する啓発も十分に進んでいない.妊娠希望時期の高年齢化による不妊症,不 育症,合併症妊娠の増加も深刻である.さらに HPV ワクチン導入の遅れも問題とし て挙げられ,日本の実情に合った独自のケアを考える必要がある.