11 .頸管縫縮術後の破水では抜糸した方がいいか?

ポイント

  • 早産期前期破水に対する抜糸のタイミングに関する明確なエビデンスはないことを認識する.
  • 妊娠32~34週までは抜糸を急がずステロイド投与の時間を確保することを検討する.
  • 子宮収縮や性器出血の有無,胎位や新生児の受け入れ状況を考慮して,抜糸のタイミングを図り,場合によっては母体搬送も考慮する.

    子宮頸管縫縮術の抜糸のタイミングは,通常は分娩時だが,前期破水(PROM: premature rupture of membranes)のみで陣痛発来前であった場合には抜糸のタイミングに迷うのでないかと思われる.
    早産期PROMにおいて,抜糸すべきか否かについては十分なエビデンスがあるわけでないが,陣痛発来前で,感染もなく,性器出血も認めていなければ,抜糸をしないことで48時間や1週間以上の妊娠延長に寄与する.つまり,ステロイド投与の時間を確保するには有用であるため,PROMの発症が妊娠32~34週までであれば,抜糸しないという選択肢もある1, 2)
    一方で,絨毛膜羊膜炎や陣痛発来し急激に分娩が進行した場合に抜糸困難となるリスクがある.妊娠34週以降であれば,妊娠継続に関して『産婦人科診療ガイドライン産科編 2023』には「分娩誘発を行うか陣痛発来を待機する」とされていることから,抜糸を行い分娩管理に移行することが一般的となる.
    胎位も抜糸をするか否かの判断材料となり得る.骨盤位や横位では臍帯脱出などのリスクを懸念して抜糸せずに帝王切開を選択する,もしくは抜糸せずに経過観察とする可能性もある.
    週数によっては新生児の受け入れが困難で母体搬送を考慮する施設もあると考えられるため,各施設の状況に応じて抜糸施行の可否と時期については検討することが重要である.

参考文献

  • 1)Ghareeb AA, et al. Management of cervical cerclage after preterm premature rupture of membranes: an argument for retention. Am J Obstet Gynecol MFM. 7(1S): 101569, 2025
  • 2)Zullo F, Di Mascio D. Management of cervical cerclage after preterm premature rupture of membranes: an argument for removal. Am J Obstet Gynecol MFM. 7(1S): 101570, 2025