18 .胎児死亡となった常位胎盤早期剝離では破膜した方がいいか?

ポイント

  • 十分な輸血を行う.
  • バイタルサインの変動に注意しつつ,頻回に貧血やDICの状態を確認する.
  • 積極的に分娩を促進するために,人工破膜を行う.

    胎児死亡を伴う常位胎盤早期剝離では速やかにショックとDICの評価を行うとともに,急速輸液の開始と輸血の準備を行う.輸血は新鮮凍結血漿を中心にバイタルサイン,出血量,DICの状態などを総合して赤血球液や血小板製剤の十分な投与も行う.強い子宮収縮を伴うことが多く,非常に短時間で経腟分娩に至ることもある.しかし,来院時に分娩経過を正確に予測することは困難であるので,経腟分娩の禁忌がない限り,人工破膜を行い,分娩を積極的に促進することもよい.人工破膜は明確なエビデンスはないものの,破膜による分娩促進を期待するのみではなく,羊水の流出により子宮内圧を下げ,DICを助長するトロンボプラスシンの血管内流入を抑制する効果が期待されている.その後は分娩進行や陣痛の状態を観察しながらオキシトシンを使用することや,頸管熟化が不十分な場合にはメトロイリンテルを併用することもある.分娩進行が不良であった際に,いつまで安全に経過観察することができるのかの明確な判断基準はない.発症から分娩までの時間より,頻回に貧血やDICの状態を確認しつつ,適切な輸血を行っていたかどうかが母体予後にとって重要である.