23 .巨大児疑いに対して選択的帝王切開をすべきか?
ポイント
- わが国で巨大児疑いに対して選択的帝王切開を支持する明確なエビデンスはない.
- 正確な巨大児診断は困難であり,肩甲難産などの異常の予測はさらに難しいことを十分に説明した上で,分娩方針について患者・家族と相談する.
2005年のレビューによれば,超音波胎児計測で巨大児が疑われても,その感度は12~75%,陽性的中率は17~79%にすぎない1).また肩甲難産などの異常は非巨大児でも起こり,その予測は困難とされる.これらをまず患者・家族に十分に説明する.
選択的帝王切開は巨大児関連の分娩時外傷などのリスクを完全に排除するものではないものの,米国では胎児推定体重が非糖尿病妊婦で5,000g以上,糖尿病妊婦で4,500g以上の場合,選択的帝王切開を考慮してもよいとされている2).しかしながら,わが国ではどの程度の胎児推定体重であれば選択的帝王切開を施行すべきか明らかなエビデンスは存在せず,個々の症例ごとに慎重に判断する必要がある.
文献
- 1)Chauhan SP, et al. Suspicion and treatment of the macrosomic fetus: a review. Am J Obstet Gynecol. 193: 332-346, 2005
- 2)American College of Obstetricians and Gynecologists. Macrosomia: ACOG Practice Bulletin No.216. Obstet Gynecol. 135: e18-e35, 2020