29 .妊娠初期や中期に GBS 陽性に対して抗菌薬治療を行った場合の妊娠末期の対応は?

ポイント

  • 妊娠初期・中期にGBS陽性に対して抗菌薬治療を行いGBSが一時的に陰性化しても再保菌が頻繁に起こるため,妊娠36週から37週でのGBS検査は必要である.
  • GBSの検出には選択増菌培地による培養検査が推奨される.

    妊娠初期や中期にGBS陽性に対して抗菌薬治療を行った場合であっても,妊娠末期(妊娠36週から37週)でのGBS検査は分娩時の抗菌薬予防投与の要否を判断するために必要である.その根拠としては,分娩時のGBS保菌に対する陽性および陰性的中率は,分娩前5週間以内のGBS検査であれば各々87%および95%以上であったのに対して,GBS検査から6週間以上経過した場合は各々43%および80%まで低下したという報告に基づく1).さらには,GBSが一時的に陰性化しても再保菌は頻繁に起こるとされ,初期・中期の抗菌薬治療は母体治療が主な目的であり,新生児GBS予防とは別であると認識するとよい.
    GBSの検出を目的とした培養法としては選択増菌培地の使用が望ましい.PCRを用いたNAAT(nucleic acid amplification testing)については,ASM(American Society of Microbiology)やACOG(American College of Obstetricians and Gynecologists)も通常の分娩前スクリーニングとしての培養法の代替としては推奨していない.NAATのためのDNAの採取方法としては選択増菌培地を行い,overnightで培養した液体培地からの採取が必要である2).濃縮を行わない分娩中NAATは,6.3~22%と許容できないほど偽陰性率が高い.そのため,濃縮なしの分娩時NAATを使用することは推奨されない.以上より選択増菌培地による培養法が推奨される.

文献

  • 1)Yancey MK, et al. The accuracy of late antenatal screening cultures in predicting genital group B streptococcal colonization at delivery. Obstet Gynecol. 88(5): 811-815, 1996
  • 2)ACOG Committee Opinion No.797. Prevention of Group B Streptococcal Early-Onset Disease in Newborns. Obstet Gynecol. 135(2): e51-e72, 2020