11 .子宮頸がん検診が困難である高年女性の対応は?
ポイント
- 69 歳まで定期的に細胞診による検診を受け続けて異常がなかった者や 60 歳での HPV 検査による検診で異常がなかった者については,その後に新たな HPV 感染の機会がなければ浸潤がん罹患率は低い.
- 69 歳を超えていても,細胞診による子宮頸がん検診を長期間受けていない者に対しては検診が必要である.
わが国の市町村における子宮頸がん検診は「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針 1)」(以下,指針)に基づいて細胞診が施行されてきた.指針では「受診を特に推奨する者を 20 歳以上 69 歳以下の者とする」と記載されている.ただしこれは 70 歳を超えると子宮頸がんの発症がないという意味ではなく,20 歳から 69 歳まで定期的に検診を受け続けて異常がなかった場合,その後も一定期間浸潤がん罹患率減少効果が持続するとされているためである.69 歳までに検診の受診歴が長期間ない者に対しては受診機会を提供するような配慮が必要である.
一方で令和6年2月には指針の一部改正がなされ,HPV 検査単独法の追加記載がなされた.これにより令和6年度から要件を満たした自治体では2年に1回の細胞診単独法,あるいは 30~60 歳の女性を対象にした5年に1回の HPV 検査単独法のいずれかを選択することが可能となっている.この HPV 検査単独法においては HPV 検査の将来予測の信頼性が高いこと,60 歳以上での新規 HPV 感染率が低いことから, HPV 検査単独法を用いた場合,60 歳をもって検診終了とすることが妥当と考えられている.
文献
- 1)がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(健発第 0331058 号 平成 20 年 3 月 31 日 厚生労働省健康局長通知別添 令和 6 年 2 月 14 日一部改正)