16 .HPV ワクチンを接種終了している方への9価のワクチン接種は推奨されるか?

ポイント

  • 2価 /4価ワクチンで主要な型はカバーされており,9価ワクチン追加のメリットは限定的であり,集団として万人に一律に推奨される状況ではない.
  • 定期接種ではなく,任意接種(自費接種)となるため,費用面の負担も含めて説明が必要.

    2価または 4価 HPV ワクチンを既に接種済みの者に対して,9価 HPV ワクチンを補完的に追加接種することで,未接種型(HPV31,33,45,52,58)に対する免疫応答が誘導される可能性が報告されている 1).4回以上接種した場合において,免疫学的安全性の観点では,重篤な全身性副反応は報告されていない 1).ただし,感染予防効果などの臨床的な有効性や持続期間,コスト効率に関する十分な長期データは乏しく,現時点では万人に一律に追加接種することは推奨されない.日本の定期接種制度においても,9価ワクチンを 4回目として公費接種することは認められておらず,実施する場合は任意接種(自費接種)となる.現場では,対象者の希望,既往の接種歴,リスク評価を踏まえ,個別に適切な情報提供を行い,将来的な HPV 曝露リスクが高いと考えられる場合や,追加接種による心理的安心感を強く希望する場合などには,利益と限界を説明した上で選択肢となり得る.

文献

  • 1)Garland SM, et al. Safety and immunogenicity of a 9-valent HPV vaccine in females 12-26 years of age who previously received the quadrivalent HPV vaccine. Vaccine. 33(48): 6855-6864, 2015