17 .過多月経を有する子宮腺筋症の取り扱いは?
ポイント
- 症状の重症度と妊娠希望の有無を評価する.
- 薬物療法はジエノゲスト,LEP,LNG-IUS,GnRH アナログ製剤で対応する.
- 薬物療法無効・強い症状で妊娠希望がない場合は子宮摘出術を検討する.
- 妊娠を希望する場合は,症例ごとに相談する.
子宮腺筋症は,子宮筋層内に子宮内膜腺組織が異所性に存在する良性疾患で,40 歳台にピークがある.主症状は過多月経,月経困難症であり,不妊症との関連性が示されている.診断は経腟超音波や MRI により行い,Junctional zone の肥厚が特徴的な所見である.過多月経を有する場合,ジエノゲスト,低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP),レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS),ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アナログ製剤(短期間の導入療法または手術前治療として)といった薬物療法で対応する 1).妊孕性温存の希望がなく,薬物療法が無効であった症例や強い症状がある場合には,子宮摘出術を検討する.妊孕性温存の希望がある場合には,症例によっては腺筋症核出術が検討される.ただし,腺筋症核出術後の妊娠では子宮破裂,子宮と周辺臓器の癒着による帝王切開時合併症,癒着胎盤のリスク増加が報告されており,症状の重症度と妊娠希望を評価し,年齢,病変範囲,症状の重症度を踏まえ,保存的治療継続か外科的治療を含め個別に検討することが重要である.
文献
- 1)日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会編.産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編 2023.74-75,2023