18 .HRT 周期法で不正性器出血が持続する時の対処法は?

ポイント

  • HRT による不正性器出血と安易に判断せず,悪性腫瘍などの器質的疾患を除外する姿勢が重要である.
  • HRT による不正性器出血である場合,エストロゲン投与量変更,プロゲストーゲンの投与日数や種類の変更も選択肢となる.

    ホルモン補充療法(HRT)周期法では,エストロゲンに加え一定期間プロゲストーゲンを投与し,規則的な消退出血を誘導する.不正性器出血は,子宮がある女性の HRT で予測される有害事象の中では比較的高頻度に認められ,使用した薬剤の種類や投与量・投与法に関係なく発生する可能性がある.不正性器出血がみられた場合は,投与開始からの期間が重要である.開始直後の場合は,出血の程度が減少するか慎重に経過をみることも可能であるが,量が多い,開始後6カ月以降,あるいはそれ以前であっても出血量が多い場合や持続・再発例などでは器質的疾患の除外が必須である 1).内診・経腟超音波で内膜肥厚やポリープの有無を評価し,必要に応じて子宮内膜生検などの器質的疾患を除外するための精査を行う.HRT による不正性器出血である(器質的疾患がない)場合は,エストロゲンの投与量減量,プロゲストーゲンの投与日数の延長や薬剤の変更が有効である.一般には,まずプロゲストーゲン投与日数の延長を検討し,改善が乏しければプロゲストーゲンの種類変更やエストロゲン投与量の調整を行う.閉経後で周期的出血が不要な場合は連続投与法への移行も選択される.常に悪性腫瘍などの器質的疾患の可能性を念頭に置き,HRT 関連の不正性器出血と断定せず慎重に評価・対応することが重要であり,一度器質的疾患を否定しても出血が続く場合は適宜再検査を行う.

文献

  • 1)ホルモン補充療法ガイドライン 2025 年度版.50,177-178,2025