23 .10 代前半女性の過多月経への治療は?
ポイント
- 全身性出血性疾患,器質的疾患,妊娠を否定し,排卵に関係する異常子宮出血 (AUB-O)と診断された場合はホルモン治療を行う.
- LEP は過多月経に対する保険適用はないが,排卵を抑制し子宮内膜を萎縮させることにより月経血量を減少させる作用があり,海外では過多月経などの AUB の治療に有効であると報告されている.
- 鉄欠乏性貧血の評価を行い,鉄剤投与を行う.
初経後数年では間脳-下垂体-卵巣系が未成熟であり,それに起因する無排卵性の 不正子宮出血を起こし過多月経となることがある 1).全身性出血性疾患,器質的疾患, 妊娠を否定し,排卵に関係する異常子宮出血(AUB-O)と診断された場合は,ホルムストローム療法や LEP 療法などのホルモン治療が行われる.LEP は過多月経に対する保険適用はないが,排卵を抑制し子宮内膜を萎縮させることにより月経血量を減少させる作用があり,海外では過多月経などの AUB の治療に有効であると報告されている.
初経後間もない時期の LEP 投与は骨成長への影響が懸念されるが,実際に骨成長を阻害するとの報告はなく,身長に対する影響はないものと考えられる.一方,LEP 服用者は非服用者に対し骨密度増加率が緩やかになるという報告がみられる.獲得骨密度の増加抑制はわずかなものであるが,その可能性について認識しておく必要がある.獲得骨密度増加に向けて,適正体重の維持,栄養摂取,荷重運動が推奨される 2).
若年者では,稀に入院や輸血を要するような大量出血を来すことがあり,その場合は速やかに全身管理と止血を優先する.鉄剤は,経口投与では過剰に吸収されないが,内服ができない場合などの経静脈投与では鉄過剰に注意する.また,鉄剤投与は貧血が改善されるだけでなく,貯蔵鉄が回復するまで継続することが望まれ,貯蔵鉄の指標に血清フェリチンが測定される.
参考文献
- 1)Borzutzky C, et al. JAMA Pediatr. 174: 186-194, 2020
- 2)日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会編.産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編 2023.126-127,2023