24 .病変がない外陰部痛を訴えた場合の対処法は?

ポイント

  • 病変部に感染,炎症,腫瘍性病変など原因疾患がないかを確認し,疼痛の部位を特定する.
  • 明らかな原因がなく3カ月以上持続する特発性の外陰部痛は vulvodynia と呼ばれ,心理社会的因子の可能性も示唆される.
  • 薬物療法が行われるが,慢性疼痛としての取り扱いを考慮する.

    周閉経期および閉経後には,エストロゲンの低下に伴い腟および外陰部の乾燥,かゆみ,灼熱感,性交痛などの不快症状の訴えが多くなる.このような症状に対しては,まず感染,炎症,腫瘍性病変,骨盤臓器脱などがないかを確認する.
    感染や炎症などの明確な原因がなく少なくとも3カ月以上続く外陰部の痛みは,慢性外陰部痛(vulvodynia)と呼ばれる.接触による痛みであるかどうかは問わず,明確な原因はないが潜在的要因は存在すると考えられる.潜在的要因として心理社会的因子の可能性が示唆されている.
    慢性外陰部痛として薬物療法が補助的に行われるが,リドカインの局所鎮痛薬は効果に持続性がない.抗うつ薬は抑うつの治療目的だけではなく,中枢性疼痛修飾を目的として用いられ,痛みを軽減する.また,漢方薬もしばしば用いられる.
    慢性外陰部痛は,疼痛を訴えて受診しても痛みの原因となる器質的疾患が認められないため,異常がないとして治療されず,そのまま痛みの症状に耐えるかドクターショッピングを繰り返すことになる.診療に当たっては丁寧に問診し,患者の訴えに傾聴し共感を示して,心身医学的対応(安心感の提供,疼痛の言語化支援,過度な不安の軽減など)をする.認知行動療法が有効であるとする報告もある 1, 2)

文献

  • 1)Moravek MB, et al. Impact of a single-session psychosocial counseling intervention for women with vulvodynia. Int J Gynaecol Obstet. 160(1): 202-208, 2023
  • 2)Penteado SRL, et al. Individualized multidisciplinary therapy for vulvodynia. J Obstet Gynaecol Res. 50(2): 147-174, 2024