25 .病変がない外陰部掻痒を訴えた場合の対処法は?
ポイント
- 軽症の掻痒症には皮膚保湿剤や非ステロイド抗炎症外用剤を用いる.
- 中等度から高度の掻痒症にはステロイド外用剤を用いる.
- エストロゲン欠乏に起因した外陰萎縮による掻痒症では,エストロゲン製剤の局所投与が奏効する場合がある.
外陰掻痒症(vulvar pruritus,itching of the vulva)は単一疾患名ではなく,感染症,炎症性皮膚疾患,腫瘍性病変などを除外した上で,外陰部の掻痒を訴える1つの症候を指す用語である.
軽症の掻痒症には,皮膚保湿剤や非ステロイド抗炎症外用剤を用いる.中等度から高度の掻痒症には,ステロイド外用剤を用いる.
閉経関連尿路性器症候群(GSM:genitourinary syndrome of menopause)において外陰部乾燥感・灼熱感・掻痒を訴えることがある.GSM とは,エストロゲン欠乏に関連する①外陰・腟萎縮症状(乾燥感・灼熱感・不快感など),②下部尿路症状(尿意切迫感・排尿時痛・反復する尿路感染など),③性機能不全(潤滑不足・不快感・疼痛による性交障害など)を幅広く網羅する概念である 1).エストロゲン欠乏に起因した外陰萎縮による掻痒症は,原則として局所エストロゲン療法を行い,全身療法は適応を慎重に判断する 2).外陰掻痒に加えて②③の症状がある場合は GSM としての治療を考慮する.また,掻破により二次的な皮膚障害を生じることがあるため,掻かない工夫やスキンケア指導も重要である.
参考文献
- 1)日本産科婦人科学会編.産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第 5 版.311,2025
- 2)日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会編.産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編 2023.234-235,2023