33 .子宮内膜肥厚を認めるが組織診で異型を認めない場合の対応は?
ポイント
- 臨床背景(年齢・月経状態・症状・リスク因子)を把握し,総合的に判断する.
- 閉経前で無症状の場合は経腟超音波検査などの定期観察を行ってもよい.
- 閉経前の症候性例(異常子宮出血や過多月経を認める場合)では,プロゲスチン療法や LNG-IUS を検討する.
- 閉経後無症状かつ内膜厚4~5㎜以上では追加検査(全面掻爬など)を考慮する.
- 閉経後で出血がある場合には内膜厚にかかわらず組織診・子宮鏡による再評価を行う.
子宮内膜肥厚が認められるものの,内膜組織診にて異型を認めない場合,その対応は患者の年齢,月経状態,症状などの臨床背景や内膜の厚さにより異なる(表17). 以下の点を確認し総合的に判断することが重要である.

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チェックポイント
まず,①年齢・月経状態(閉経前か閉経後か),②症状(不正子宮出血,月経不順, 過多月経などの有無),③リスク因子(糖尿病,肥満,無排卵周期,ホルモン補充療法の有無など),④内膜の厚さを把握し,これらを踏まえて対応を検討する.
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閉経前の患者に対する対応
閉経前で内膜厚が4~5㎜未満かつ無症状であれば経過観察を選択することができる.ただし,出血が持続する場合などは経腟超音波検査や内膜組織診などの再評価を行う.その上で異型を認めない場合,不正出血,月経不順,過多月経などの症状がある場合はプロゲスチン療法を行う.特に過多月経を伴う子宮内膜増殖症に対してはレボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS:Levonorgestrel-releasing intrauterine system,ミレーナ®)の使用が有効である.また,月経困難症を伴う場合などには低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬による治療も選択肢となる.
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閉経後の患者への対応
閉経後かつ出血を認めない場合には経過観察が許容されるが,出血がある場合は内膜の厚さにかかわらず内膜組織診や子宮鏡検査などの再評価が必要である.特に無症状でも内膜厚が4~5㎜以上の場合は,潜在的な子宮内膜病変の可能性を考慮して子宮内膜全面掻爬などの追加検査を検討することが望ましい場合がある.
閉経前,閉経後のいずれの場合でも,肥満,糖尿病,ホルモン補充療法などのリスク因子の有無を考慮し,個別に対応を判断することが重要である.
参考文献
- 1)Management of Endometrial Hyperplasia Green-top Guideline No. 67 RCOG/BSGE Joint Guideline February 2016
- 2)Wolfman W, et al. Guideline No. 451: Asymptomatic Endometrial Thickening in Postmenopausal Women. 46: 102591
- 3)ACOG COMMITTEE OPINION Number 734: The Role of Transvaginal Ultrasonography in Evaluating the Endometrium of Women With Postmenopausal Bleeding, 2018
- 4)Diagnosis and Management of Endometrial Cancer Am Fam Physician. 93(6): 468-474, 2016