34 .子宮頸部に多囊胞性病変を認めた場合の対応は?
ポイント
- 経腟超音波検査,子宮頸管内細胞診,MRI 検査などで良性,悪性の鑑別診断を行う.
- ナボット囊胞などの良性疾患を疑う場合は経過観察を行う.
- 分葉状内頸部腺過形成(LEGH)を疑う場合は高次施設に紹介する.
- 悪性病変が疑われる場合,細胞診で異型腺細胞(AGC)の出現や画像検査で病変増大などを認めた際は高次施設に紹介する.
子宮頸部にみられる囊胞性病変には,良性のナボット囊胞,腫瘍性病変を含む分葉状内頸部腺過形成(LEGH:lobular endocervical glandular hyperplasia),悪性の胃型粘液性腺癌(GAS:adenocarcinoma HPV-independent, gastric-type)などがある.これらはいずれも子宮頸部の腫大や水様帯下を呈し,画像検査や細胞診,生検でも鑑別が困難な場合がある.
ナボット囊胞は頸管腺の閉塞による単純な貯留囊胞で治療の必要はほとんどない. 一方,LEGH は一部が GAS の前駆病変となる可能性があり 1)注意を要する.LEGH と GAS はどちらも胃型粘液を産生するが,MRI での構造,細胞診所見,HIK1083 抗体による免疫染色などを総合して鑑別する 2).鑑別のポイントを表18に示す. MRI では,LEGH は「コスモスサイン」と呼ばれる典型的な画像所見を呈するのに対し,GAS は浸潤性が強く,境界不明瞭な充実性腫瘍として描出されることが多い 3)(図19).悪性病変が疑われる場合は高次施設での精査が推奨される.


参考文献
- 1)Takatsu A, et al. Virchows Arch. 462: 645-651, 2013 PMID: 23645358
- 2)Ota H, et al. Am J Clin Pathol. 115: 69-79, 2001 PMID: 11190809
- 3)Sugihara T, et al. J Obstet Gynaecol Res. 41: 483-487, 2015 PMID: 25257165