5.梅毒 STS 弱陽性が続く場合の対応は?
ポイント
- 梅毒 STS 弱陽性が持続する場合は,陳旧性梅毒と活動性梅毒の両方の可能性を考える.
- 陳旧性梅毒の診断については,79頁を参照する.
- 検査値の推移に加え,症状の有無・持続,パートナーの状況(罹患歴やリスク行動,検査結果,治療経過など)を確認し,疑念がある場合には専門医へ相談する.
梅毒の治癒判定について『産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編 2023』では「梅毒抗体の値は様々であり,症状の安定化,RPR,梅毒トレポネーマ抗体の値の推移などから総合的に判断する」とされている.従来は,STS が陽性で梅毒トレポネーマ抗体が陰性であれば活動性はないとされていたが,現在では必ずしもそう判断できないとされている(79頁表1参照).
79頁に記載のとおり,RPR と梅毒トレポネーマ抗体の同時測定(同一検査キットを用いた自動化法)を概ね4週ごとに行い,その変化を追い,力価の上昇・低下や安定性を評価する.また,症状の有無や持続,パートナーの罹患歴・リスク行動・検査結果・治療経過なども確認する必要がある.
疑念がある場合には,専門医への紹介や遠隔相談などをためらわずに行うことが重要である.
文献
- 1)厚生労働行政推進調査事業補助金(新興・再興感染症および予防接種政策推進研究事業).梅毒診療の考え方 令和6年3月,梅毒患者の実態把握および対策に資する研究(山岸由佳班)(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/syphilis_240404.pdf)