7.高プロラクチン血症に対するドパミン作動薬治療後のフォローアップは?
ポイント
- プロラクチン値が正常化し病変が確認できなくなっても,2年間はドパミン作動薬を継続する.
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2年間再増悪なく経過し,以下の条件を満たせばドパミン作動薬は減量・中止してもよい.
- ‐カベルゴリン低維持量で血清 PRL 値が正常を維持できている. ‐ドパミン作動薬による治療期間が2年を超えている.
- ‐MRI で当初からプロラクチノーマが確認されなかったか,確認されていたプロラクチノーマが明らかに縮小している.
- 中止後,当初1年間は3カ月ごと,その後も6~12カ月ごとに,生涯を通して PRL 値を測定し,再増悪の有無を評価する.
高プロラクチン(PRL)血症に対してドパミン作動薬を用いる状況としては,プロラクチノーマと機能性高 PRL 血症(薬剤性,視床下部・下垂体系の機能異常など)を想定するが,両者を明確に区別することは困難である.ここでは.プロラクチノーマが存在した場合を中心に述べる.
プロラクチノーマに対してドパミン作動薬(主にカベルゴリン)を用いると,多くの症例(おおむね 60~70%)で PRL 値の正常化や腫瘍の縮小を認める.ドパミン作動薬の長期投与に伴う副作用を回避するため,減量・中止を検討することは妥当であるが,実際に薬剤中止後も寛解を維持できるのは約 20~50%に過ぎず,中止は慎重に判断する必要がある.
寛解維持の可能性が最も高いのは,非浸潤性の小さなプロラクチノーマに対し,低用量カベルゴリン(週 0.25~0.50㎎)を少なくとも2年間投与し,腫瘍サイズが著明に縮小し血清 PRL 値が正常化した症例である.全体の約 1/3 がこれに該当し,この場合,約半数で寛解が維持できる.したがって,治療後1~2年が経過し,MRI で明らかな病変が認められなくなり,血清 PRL 値が正常となれば,ドパミン作動薬の投与量を段階的に減量し,投与間隔を延長しながら,週 0.25㎎でも寛解を維持できることを確認した上で,2年以上の治療期間の後に薬剤を終了してもよいと考えられる.
ただし,再燃は稀ではないため,減量中から治療終了後1年間は3カ月ごと,その後も原則として生涯にわたり 6~12 カ月ごとに血清 PRL 値を測定する.乳汁分泌や月経異常などの症状が出た場合には,その都度受診させて血清 PRL 値を測定する.下垂体 MRI の撮影はルーチンで行う必要はないが,血清 PRL 値の上昇があれば実施を考慮する.
情報は限られるものの,閉経後女性では薬剤中止後の寛解維持率が閉経前女性より高いとされる.したがって,閉経時点で上記の中止基準を満たす場合には,閉経をもって治療終了の契機とすることも臨床的に妥当と考えられる.