9.IUS が脱落しないような工夫や脱落した際の対応は?

ポイント

  • 過多月経や月経困難症,子宮筋腫や子宮腺筋症がある場合は脱落の可能性を説明する.
  • 診察にて子宮の状態を把握した上で,添付文書どおりに丁寧に手技を進める.
  • 子宮内腔で開いた水平アームが子宮底に達するように挿入する.
  • 本体が下降しても子宮内にとどまっていれば一定の症状緩和効果が期待できる.
  • 避妊目的の場合,下降していれは抜去を考慮するが,次回の月経直後に抜去するなど抜去時期に配慮するとともに,別の避妊方法の併用を勧める.

(1)解説

  • 1)問診と診察(双合診,超音波検査),検査(血液検査,MRI 検査)

        避妊目的での IUS 挿入で正常大子宮であれば,脱落のリスクは比較的低いと考えられる.問題になるのは過多月経や月経困難症,子宮筋腫や子宮腺筋症などの存在で,脱出の可能性を説明しておく.

  • 2)診察と LNG-IUS の装着

        診察にて子宮の大きさや傾き,内腔状況を把握した上で,手技は添付文書に沿って丁寧に行う.子宮内腔で開いた水平アームが子宮底まで達しているかが重要で,装着後に超音波検査にて本体の位置を確認する.強い子宮形態異常や位置異常は適応外になる.

  • 3)本体が脱落しそうな場合

        残念ながら脱出を予防する確立された方法はない.抜去や再装着を要する位置に関しても確立されたエビデンスはない.本体が子宮内腔にとどまっていればそのままでもよいが,効果減弱やその後の脱出の可能性を説明しておく.頸管内まで下降していた場合には抜去・再挿入を考慮する.
        子宮内腔底部から2㎝以上下降した場合や子宮頸管内への部分的下降,または位置不良に関連する痛みや出血がある場合,IUS を抜去・再挿入を考慮する1)

  • 4)避妊目的の場合

        下降している場合は避妊効果が減弱する可能性があるので抜去を考慮するが,すぐには抜去せずに次回の月経直後として,別の避妊指導も追加する.

文献

  • 1)Faculty of Sexual & Reproductive Health Care. Clinical Guideline: Intrauterine Contraception. (Updated March 2023, amended July 2023). Accessed July 25, 2023

参考文献