(2)子育て支援

ポイント

  • 子育て支援の情報提供は,妊娠前の不安軽減や意思決定を支える.
  • 育児休業や保育制度などの支援策を,妊娠前から分かりやすく伝える.
  • 子育て支援制度の内容や変更点を把握し,日頃から最新情報を提供できるようにする.
  • 1)「子育て支援」をプレコンセプションケアとして扱う目的

    • プレコンセプションケアの目的の1つには,「安心してこどもを産み育てられる社会づくり」もある.そのためには,妊娠を考える前の段階から,子育て支援制度の存在や,困った時に相談できる窓口があることを知っておいてもらうことが重要である.
  • 2)こども家庭センター(図23)

    • こども家庭センター」は,妊娠期から出産,子育て期までを支えるために,2024年4月よりすべての市町村に設置が求められている相談窓口であり,保健師などの専門職が妊婦や子育て中の親の相談に応じている.
    • 妊娠前の段階からも利用が可能であり,医療機関との連携を通じて,妊娠前から子育て期まで,切れ目のない支援体制が整備されつつある.
    • 「経済的な不安がある」といった妊娠準備期から,将来への不安まで対応している.
  • 3)現行の育児支援制度について

    • 現在実施されている子育て支援制度の主な内容について,お金に関するものと休暇や働き方に関する制度にわけて表16にまとめた.
    • 現在実施されている子育て支援制度
    • これらの制度は,年々見直しや改正が加えられており,内容や申請方法が変更されることがある.また,市町村や勤務先(企業・職場)によって運用方法や申請の手続き,受給条件に違いがある場合があることに注意する.
    • さらに,就業形態(正規・非正規・パートなど)や勤務先の就業規則によって,制度の利用可否が異なることもある.また,ほかにも独自に取得できるものもあるため,勤務先の担当部署や自治体窓口に確認しておくことを勧める.
    • 医療者は,妊婦やそのパートナーが制度に気づき,適切に利用できるよう,「制度があることを伝える」役割を担っている.
  • 4)保育支援制度の紹介

    • 育児と就労の両立を支えるには,保育サービスの情報提供も大切である.保育所,認定こども園,企業主導型保育など,制度や申込方法は地域によって異なるため,具体的に情報が必要な場合は市町村の窓口を紹介する.
    • 通園開始直後は体調を崩しやすく,欠席が多くなる傾向にある.原則として家族による看護(子の看護休暇の活用)が基本となるが,病児・病後児保育施設を利用することも可能である.
    • 最近では電子母子手帳や自治体のウェブサイトを通じた情報提供も進んでいる.医療機関においても,パンフレットの配布や相談窓口の紹介など,小さな一言が大きな支えになることがある.
  • 5)医療職としてできる支援

    • 妊娠や出産だけでなく,その先の子育てまでを視野に入れた支援が,プレコンセプションケアの一部である.育児支援制度や相談窓口をさりげなく案内するだけでも,妊娠を考えている方にとっては大きな安心材料になる.