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宮崎県産婦人科医会

会長挨拶

以前より小児虐待に関して宮崎県産婦人科医会は力を入れ、要保護児童対策協議会に参加してきました。平成28年度の全国の虐待死は84人でした。心中以外の虐待死は52人で、0歳が30人(57.7%)と最も多く、このうち月齢0か月児が13人(43.3%)と高い割合を占めています。心中による虐待死は32人で、0歳児が6人(18.8%)と最多でした。心中以外の虐待死の加害者は実母が26人(50.0%)と多く、加害の動機は保護を怠ったことによるものが6人(11.5%)、抱える問題は望まない妊娠だったことが18人(34.6%)と最多でした。心中による虐待死の加害者は実母が29人(90.6%)と多く、加害の動機は保護者自身の精神疾患、精神不安が13人(40.6%)と最多でした。1歳以上の虐待死に関しても虐待のスタートが妊娠・出産時から始まっているものが多く、我々が関与している周産期の場が母親にとって非常に大切な時期だと考えられます。特定妊婦を把握することから始まり、精神疾患を持つ母親やマタニテイーブルーの母親の精神的変化をとらえること、また子育てで大変になる産褥期の精神的変化をチェックすることで、より多くのメンタルヘルスケアを必要としている患者をピックアップできると考えています。これにより将来の虐待を減らせる可能性があります。今回開始された産後2週、4週健診のエジンバラ導入で、より精度の上がったものとなることを期待しています。
虐待死まではいかなくとも、虐待による負の連鎖(つまり家族的な愛情の欠如がその子供にも受け継がれ同様の状況を繰り返していく)が指摘されています。不登校、退学、望まぬ妊娠、家庭内外での暴力など延々とつながっていきます。これを断つために産婦人科としてできることは、望まぬ妊娠を未然に防ぐことです。このためには、早い段階(少なくとも小学校高学年)から正しい性教育を行うことが大事になってきます。これまでの性行為感染症の話だけでなく、性の素晴らしさ、生命誕生の素晴らしさなどを話していくべきと考えます。
今年は、これら充実のため関係機関との横のつながりの構築を進めていきたいと思っています。

肥後 貴史

役員一覧

会長 肥後 貴史 古賀総合病院
副会長 鮫島 浩 宮崎大学医学部 嶋本 富博 県立宮崎病院 松 敬文

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